秩父事件

著者あとがきから-----
　この冊子は、秩父事件の跡を訪ねたり、或いはこれから秩父事件というものに少しでも触れてみようと思われる人々のためにまとめたものです。
　私も何回か秩父事件の跡をめぐる人々の案内をしましたが、その時、かんたんなものでよいから手引書のようなものがほしいなということを痛感させられました。
そしてまた、一人で事件の跡を訪ねようとする方の為に役立つ冊子があってもよいだろうと考えたのです。
　秩父事件も110周年を迎えました。そして今、漸く「無頼の徒と無知な農民による暴動」という政府の弾圧から解きはなされて、「自由民権運動の、最後にして最高の形態」という輝かしい評価を与えられるようになりました。
　しかし、まだまだ秩父事件は多くの人々によって理解されるに至っていません。小中学校の教科書でも秩父事件が扱われるようになった今日、それは一部の研究者のものでなく、多くの人々に理解されなければなりません。そういう意味でこの小冊子が役立てば幸いです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1995. 7.10 　　史跡をめぐる会事務局長　　利根川洋治